首相の条件 2010 6 13

わずか十数年で首相の条件は大きく変わってしまったのです。

「地上の楽園」と喧伝された北朝鮮は、ミサイル大国に、
「人海戦術が攻撃手段」と言われた中国は、米軍並みのハイテク装備に、
「映画の世界だ」と思っていたのに、よもや現代に海賊が出没。
「永遠の繁栄が続く」と思われた現代のローマ帝国も、落日が忍び寄る。
「日が沈まぬ帝国」と言われた大英帝国も、人々の記憶の中にある。
「日が暮れるのは早い」とキリストの日記には記されているのか。

 一昔前ならば、日本の首相は、何も知らなくても勤まったのです。
「日本は商売に専念し、安全保障はアメリカに丸投げ」という状態が、
長年、続いてきたのです。
 多くの日本人どころか、政治家までも、
国防や安全保障には思考停止の状態になっていても、それでも暮らせたのです。
 だからこそ、「非武装中立」という非現実な概念が、
時代の流行語になったこともあったのです。
 何しろ、地上の楽園に、人海戦術に、映画の中の海賊、
そして、現代のローマ帝国だったからです。
これなら、非武装中立も「現実的」だったかもしれません。
 しかし、今や、日本の首相も、アメリカ大統領並みに、
安全保障の見識が要求されるようになったのです。


























































































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